内容
バホウド―それは伝説的なテロリストだった。
常軌を逸した暴力嗜好を持ち、数々の暗殺を手がけてきたこの闇のエキスパートは、
アラブ過激派の依頼を受けてアメリカに潜入、シオニストのグループれ隠れ簑に、
決行に向け着々と準備を進めていた。
FBIテロリズム部も名うてのベッカー捜査官に協力を仰いで捜査を開始するが、
謎のテロリストの行方は査として知れない。
大標的の抹殺を目前に控え、追う者を嘲笑うかのように、バホウドはその独特の手口で殺しを重ねていく。だがベッカーも、特異な能力を持つ狩人だつた。
ジョン・ベッカーのシリーズ第2弾を読み終えた。
べッカーの捜査方法は、前回も書きましたが
犯人になりきり、犯人の心の中へ分け入っていくことにより
犯行現場で犯人の感情を再現するんだけど、ベッカーはさらに
その上をいくのだ。ここがスゴイ。
昔、「FBI心理分析官」という本が出版され
話題になり、売れたんだけど。当時オレも読んだ
。
プロファイリング捜査(人物素描)で、犯人を探し捕まえるという
方法で知られていて、でもベッカーの方法はそうした統計的なものや
科学上の問題ではなく、もっと感触的な、もっと心の思いを・・・
ベッカーの言葉で言えば
「彼(犯人のこと)になるのだ。私は彼がやりたいと思っているにすぎない
ことを実行する」
オトリ捜査により、犯罪者に近づき、やがて自らが悪徳警官に
なっていくという、ありがちな映画の展開じゃなく
もっと深遠な、心、魂の世界の出来事なのだ。
ちょっと、話はずれるが
うわべだけの、友達同士の話って、面白くないじゃん。
かっこつけず自分の心のホントの言葉で話すと面白いし、笑えるし
言葉自体に強さも増すんだよね。
本の中でも、取りつくろっている人はベッカーには全然通用しないんだよね。
で、今回の敵もスゴイんだ。テロリストだかんね。
悪は悪でも本書に登場する驚異の犯罪者バホウドは、
殺人にたいして、なんのためらいもない、
「純粋殺人者」と書かれている。
こうも書かれている
バホウドを表現するのに、おそらく最も的確な言葉は
サドの「悪徳の栄え」における、
「悪は神の本質であり、神がわしらに犯させる悪はすべて、
神の目的に必要欠くべからずものだ。そして悪が神にとって
必要である以上、わしがこの悪によって悩もうが悩むまいが、
神にとってはどうでもいいことだ」
つまりバホウドにとって「悪」とは神と同次元なのでは?
この男相手に、ベッカーは自らバホウドになりきろうと、
彼の心の中へ入り込んでいって、
そこでベッカーが見たものは・・・
おのれの内のバホウドであったのだ。
こえ~。
まあ、この辺で終わりにしよう。
興味がある人は、二人の対決を読んでください。
決して、オススメはしないよ。
昔、マルキド・サド侯爵の本とか
渋沢 龍彦とかコリン・ウイルソンを読んでたけど
あんまり憶えてないなぁ。
そう好きな人はいないと思うが。
次はベッカーの第3弾
「歪んだ愛」、すごく読みたい。 だけど、一息入れてるんだよね今、
なぜかと言うと
最近TVで大好きな「ハリー・ポッター」やってて
久しぶりにハリー読んで、泣こうかなと思ったりして
今、遅いけど「謎のプリンス」を読んでる。
きっと泣いちまうだろう。
帰ったらTVで「不死鳥の騎士団」を、あらためて見たら
泣きそうになり・・・
だって、かわいそすぎるし、全てが悲しく切なすぎるんだよ。
「シリウス~」って・・・
ハリー・ポッター好きなら、わかると思うけど。
今、新作が上映されてんだよね。
行きたいけど原作読んどらんし、ハリーって今までの物語が繋がってるから
イマイチ憶えてないから楽しめないのかなと思ったり。
原作読んでからのほうが、映画は楽しめる。俺は。
Page Top