｢血まみれの月｣　ジェイムス・エルロイ - 横浜市 元町 中華街の美容室

あらすじ

その孤独な殺人者は内なる妄念に衝き動かされ、次々と若い女を惨殺していた。ある時は路上で。またある時は被害者の部屋で。“詩人”と呼ばれるその男はいつも彼の最愛の女性を殺すのだった―。一方この殺人者を追い求めるロイド・ホプキンズはロス市警強盗殺人課の部長刑事。仲間から“ブレーン(頭脳)”と呼ばれる天才肌で、異常なほどの正義感をもつ男だった。そのホプキンズの直感が犯人は一種の天才であると告げていた。天才対天才の闘いが始まった直後、ホプキンズに市警の上層部から圧力がかかった。上司からも部下からも見放され、〈静かな狂気〉と化したホプキンズは、ひとりロサンジェルスの街を駆けめぐり、〈激しい狂気〉である“詩人”を追いつめる。ロイド・ホプキンズ・シリーズ第1弾。

色々なハードボイルドヒーローを読んできて

なぜかエルロイは読んだことがなかったので

刑事ロイド・ホプキンズのシリーズ第1弾｢血まみれの月｣を読んだ。

エルロイの小説は、とても難しいと聞いていて

でもこのロイド・シリーズは、比較的わかりやすいと言われたので

どんな男なんだろうと好奇心を持っていたから、いつか読もうと思って

やっと読む機会が来たのだ。

有名な傑作映画

｢L・Aコンフィデンシャル｣

｢ブラック・ダリア｣の著者で、特に

｢L・Aコンフィデンシャル｣は、以前にも紹介したが

素晴らしい映画で、当時から原作者であるエルロイに

興味はあったんだよね。

映画は原作とは違うと思うが映画は映画ってことで。

ロイド・シリーズは、ロイドが刑事だから、もちろん犯人との

戦い、つまり正義と悪だから読んでてわかりやすいが

他の作品は全員悪の場合もあるから、

読んでいる我々が、きちんと判断しながら

読んで行かないと救いがないらしい。

そういうところが最高に面白いのである。

正義とか悪とかではなく、みんな自分の世界を持ち

世界同士の戦いなのだ。

で｢血まみれの月｣を読んだら、メッチャ面白かった。

犯人が天才であり、ロイドも天才である。

二人の頭脳合戦が、最高に面白い。

お互いが鏡で表裏一体なんだよね。

周りの人がロイドは気が狂っている人間だと

思う人もでてくるが、

俺はロイドのどこが狂っているのか?

全然狂ってないじゃんと読んでいて思う。

逆に好感すらもってしまう、インテリジェントな刑事だと。

ちょっと変わってる所もあるけど、

みんなもそうなんじゃないかな。

ハードボイルド好きにはオススメする男の一人です。

異常すぎるくらい正義感にこだわるのは、

うしろめたい過去があるからである。

いつ狂ってもおかしくない、

魅力的で強烈なキャラクターだよ。

かっこいいヒーローとしては一切描かれていないところが、またいい。

あのマイクル・コナリーも、エルロイの作品は読むと

言っているらしい。

そういえば、映画化にもなってるらしい。

ジェイムス・ウッズ主演(好きな俳優です)の｢ザ・コップ｣で。

それるが、ジェイムス・ウッズはねぇ、

｢サルバトル｣っていう映画が強烈だよ。

ジャーナリスト役で内戦中のエルサルバトルに記者として

潜入していく物語なんだけどね。

DVD化されてるかは、わからない。

次は第2弾｢ホプキンズの夜｣原題｢Because the Night｣を読もうと思っている。

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