自販機と500円玉と僕 - 横浜市 元町 中華街の美容室

ちょっとしたお休みの日の出来事で、たいした事ではないけど、

駅前の自販機で何かサッパリしたものが飲みたくて（二日酔いで）

ポケットからコインを出そうとしたら

コインが落ち自販機の下に吸い込まれて行った。

「あっ!」っと思って落ちていくのを見たんだけど、

それは確かに500円玉で、どういう力が加わったのかは

わからないけど、落ちて縦のまま勢いよく転がって行った。

その500円玉の転がり方がキレイだなと思ったし、

「まいったな～」とも思い、あきらめようとしたけど

500円だしな～と思い、しゃがんで覗きこむと同時に

あの勢いじゃ手が届く範囲じゃないだろうなと思ったけど

覗いたんだ。

そしたら、ないんだよね。

やっぱ、向こう側まで行ったか?

取れるかもしれんと思い、裏を見ようとしたんだよね。

もちろん自販機の裏は壁で（ツルツルした感じの厚いボードな感じ）

自販機と自販機の間にある、缶を捨てるダストボックスがあり

それをどかして、この時点で俺は何やってんだという思いが

込み上げ、でもやり始めちゃってるしな～とも思い、

「ええい、ままよ！」と心に決め、間に入っていって裏を

見たんだよね。

最初にも言ったが、ここは駅前の自販機で、人がいるんだろうなと

思ったけど回りはいっさい見ず、振り返りもせず、

自販機と自販機の間を、透明になった気分で入った。

500円玉は裏まで転がって行ったのか確かめたいだけなんだよね。

そしたら、

壁と自販機の間にあって、手を伸ばしても届かない場所にあって、

瞬時に壁と自販機の隙間は俺の体がギリで入れると判断して

入っていきました。

で、無事500円玉を取り戻したのであ～る。

でもその日は雨上がりだったので、俺の服の前は自販機の裏で

後ろは壁で、すっかり汚くなり、キレイになったのは

自販機の裏と壁の方だった。

サングラスをいつもしてて、どう見てもハワイの人さらいにしか

見えない俺はすっかり、泥だらけの迷いネコになり

何事もなかったようにダストボックスを元に戻し

帰ってきた500円玉でポカリスエットを買いました。

その日、用事が済んだ帰り道、歩いてたら（また駅前）

肩をポンポンとたたかれ振り向いたら

おじさんが（と思ったけど俺より下かもしれないと思い）

「お金落としましたよ」と1000円札を俺に渡した

多分ポケットから落ちたんだろう。

俺は丁重にお礼を言って、

「今日はよく落とすな、今お気に入りのウオレットチェーンが

　壊れて修理に出してるから財布は落とすまい」と強く心に決め

また歩き始めた。

 

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