｢歪んだ愛｣　デヴィット・ウィルツ - 横浜市 元町 中華街の美容室

あらすじ： シュッピング・センターで、校庭で、次々と少年が消えていった。そして数カ月後にはみな死体となってごみ袋から発見された。どの子も体を入念に洗われ、髪もきちんとカットされて…。広域で発生するこの連続誘拐殺害事件で、FBIのカレンはベッカーに協力を仰ぐ。犯人の意識と同化できる彼の才能がどうしても必要なのだ。だが今度ばかりは彼にも犯人像がうまく掴めない。一方意外な犯人は、飽くことなく幼い獲物に魔の手を伸ばしていた。異能の元FBI捜査官ベッカーの冷徹な人狩りを描くサイコ・ミステリー第三弾。

元FBI捜査官ジョン・ベッカーシリーズ第3弾を読んだ。

殺人者と同じ心理状態まで自分を追い込み、全くと言っていいほど

同じ人格になって殺人犯を特定するやり方のベッカーだが

その結果、自分の中に｢人を殺したい｣という欲望があるのに

気がついてしまい、そのために休職におかれているが

ベッカーの優秀があるために、難航する事件の依頼が

どうしても彼の元に来てしまう。

FBIは犯人と意識を同化できるベッカーの才能がどうしても必要なのだ。

しかし今回の連続誘拐殺人事件の犯人像がうまくつかめず

ベッカーは犯人に翻弄される。

読んでるとベッカーの捜査が全部裏目にでてしまい

いつもならじわじわと犯人を追い詰めていくけど

今回は犯人に近づけないベッカーは初めてなので

読んでいて面白かった。

作品のコンセプトは

｢人間はみんな親バカなのか・・・?｣

キーワードは子供。

読んでると子供に対する親の愛が、なんか｢ヘン｣なんだよね。

｢母性｣と｢父性｣の対立。

ここまで現実的で生々しい｢親｣の姿を描いた作品はないのであろうか。

犯人は子供に全身全霊の愛情を注いでるが

なんか｢ヘン｣だし、｢善｣じゃないんだよね。

生活の中心は常に子供。

それを支配しようとする母親。

子供と結びつきたいが、母の下に、さらに子供の下に

精神的には置かれてしまう母親。

父親。

運動会でカメラ持って子供の姿を必死に追っている。

この日本の典型的な父親の姿。

なぜビデオに撮り、それを残すのか僕にはわからない。

今度忘れてなかったら友達に聞いてみよう。

｢おまえと同じさ｣と言われそうだな。

物語の中で善良な母親カレンが最悪な時に

息子をせっかんしてしまうのと、

悪役(物語の中では)のディーが、いい子にしてないと

はたいてしまうのは同じ｢愛情｣ではないか。

そしてまた｢狂気｣ではないか。

つまり｢善｣も｢悪｣もないのだ。

日常生活の中で、人間の愛情は容易に狂気に変わってしまう。

子供に手を上げてしまった母親は自分をどう思っているのか?

解説に

｢公園デビュー｣という言葉があるが、

最初は子供のことを自慢したい、しかしだんだん自分の

人間関係、自分自身のほうに関心が移ってしまう。

実は自分のことしか考えていないディーの心理状態と似ている。

俺は男で、絶望的に男だと思っている。

だからいつも女性陣に｢男ってさぁ・・・・｣と真っ先に言われる代表だ。

議論しないし、すねちゃうし、男は先天的にそれが身にそなわってるんじゃないかな。

生きていて普段は真実はどうでもいいと思っているが

子供と話す時は真実を素直な気持ちで話してる。

何が正しいかわからないが

正しい行為を常に行うということを欲っし生き、

特に子供には絶えず気を張っていたいと｢歪んだ愛｣を読んでいて思ったのであ～る。

次はシリーズ第4弾

｢黒い賛美歌｣を読んでいる。

それと同時にお客様(中3)から借りた

平野啓一郎の

｢日蝕｣を読んでいる。

前々から｢日蝕｣は気になっていたから

機会があったら読んでみたいなと思っていたんだよね。

ここ最近、日本人作家にまったく興味のない俺には

とても珍しいことだけど貸してって言っちゃったから。

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