「トランク・ミュージック」　マイクル・コナリー - 横浜市 元町 中華街の美容室

ハリウッド署殺人課刑事、ハリー・ボッシュの5作目を読んだ。

車のトランクに映画プロデューサーの死体を発見。

トランク・ミュージックという、マフィアの殺しの手口。

精力的に捜査を進めるボッシュの前に

幾多の苦難の壁が立ちふさぎ

有力な容疑者にたどりついたが

FBIの捜査官たちは驚くべき事実を明かし

窮地に立たされたボッシュは、それでも

事件からはずされたのに、いうことをきかず

くいさがり、事件に挑んでいくスタイルがいい。

いや～、やっぱ面白いわ。

この5作目に1作目に出てきた、ボッシュが愛した女

元FBI捜査官、エレノア・ウイッシュと約5年ぶりに再開し

事件を追いながらも、彼女とよりを戻したい気持ちを

持ちながら、状況が二転三転するが、

エレノアがふと口にした言葉から、ボッシュは

事件解明の手ががりを得る。

どうにもならなくても、勇気と確固たる信念があるから

進んでいけるんだなと読んでいて、俺にはわかる。

ボッシュがエレノアを思う気持ちを理解したシーンがあるんだけど

エレノアが拉致されボッシュが助けに踏み込んだとき

彼女が顔を起こして目があったとき

自分がずっと大事に思っているとわかっているものをそこに見た。

言葉にあらわせるものではなかった。

恐怖が消えうせていく思い、

無事だとわかったときの気持ち。

感謝もあるだろう。

人が英雄に向ける視線かもしれない、とボッシュは思った。

二人の関係は読んでいて、どうなるんだろうと

うまくいったらいいなと思うし、

ボッシュは彼女の心をつかみきれていないと、

もどかしい思いを抱くボッシュの心象が描かれていて

胸を締め付けられながら読みきった。

この小説の事件の人たちの真実の心はわからないんだけど

真実を知ったところで、なんだって言うんだい。

「忘れちまえ!」と最後にボッシュは言う。

俺も真実なんて、どうでもいいと思うほうなので。

いつもそうだけど、マイクル・コナリーは最後まで

真相はわからず、いい感じに裏切ってくれて面白い。

次は、ボッシュ6作目「エンジェル・フライト」が待っているんだけど

その前に「わが心臓の痛み」があるから

こっちを先に読みます。

ボッシュシリーズにつながっていくだろうし。

これは、クリント・イースドウッド主演の映画にも

なっているんだよね。

もちろん見たよ。

原作は、また違うだろうし。

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