「エンジェルズ・フライト」　マイクル・コナリー - 横浜市 元町 中華街の美容室

刑事ハリー・ボッシュのシリーズ6作目

「エンジェルズ・フライト」

単行本「堕天使は地獄へ飛ぶ」改題

いや～、おもろかった。

一気に読んでしまった。

★あらすじ

　ロサンジェルスのダウンタウンにあるケーブルカー内で二人の人間が惨殺された。一人は黒人女性、もう一人は人権擁護派として知られる凄腕の黒人弁護士。なぜか管轄外なのに特別捜査班を任されることになったボッシュだが、事件には裏があった。殺された黒人弁護士は市警察の仇敵ともいうべき人物で、翌月曜日にも市警察を相手取っての訴訟が開始されるところだったのだ。警察が一歩扱いを誤れば暴動は必至という極限状態のなか、ボッシュはチームを率いて操作に乗り出してゆく。

かつてのパートナーの死、冷め切っているとはいえ、

心のそこから愛してる妻が出て行ってしまったり、

今回の事件は過酷すぎるし、

絶望の物語の中で、疾走するボッシュの姿に

心打たれるシリーズ6作目。

「今、立ち止まったら心のそこから大声で叫びそうになる。

　だから行動しなくてはいけないことはわかっている」

と、ボッシュはこんなことを常に心に留め走り続ける。

登場人物たちが抱える個人的な問題や人のもつ暗黒面が

ボッシュの捜査によって浮き彫りにされ、読んでいる方も

人の心の闇について直面せざるを得なくなる。

息苦しいが、心に大きな傷を持ちながらでも捜査していく

ボッシュが痛々しい所が、このシリーズの大きな魅力でもあるのだ。

かつては感情にまかせて行動するだけの孤独な男だったが、

いくつもの苦難を経て、自分自身を落ち着かせ、成長していく

生き方は、またボッシュの魅力をいっそう高めていって

とても楽しめる。

シリーズのいい所は主人公も成長していくし、

読んでいる方も成長していく所で、

浄化される所でもある。

ハードボイルド

「エンジェルズ・フライト」は傑作である。

次は早くそこまで行って読みたいと思っていた、

「わが心臓の痛み」の元FBI捜査官のマッケレイブと

ボッシュの共演作だ。

マッケレイブもかっこいいんだよな～。

　

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