「夜より暗き闇」マイクル・コナリー - 横浜市 元町 中華街の美容室

あらすじ

引退し、家族と共に平穏な暮らしを送っていた元ＦＢＩ心理分析官のテリー・マッケイレブは、旧知の女性刑事から捜査協力の依頼を受ける。

殺害現場の映像から連続殺人へと発展する事件であると分析したテリーは、被害者を別の事件で追っており、生前最後に会ったとみられるハリウッド署の殺人課の刑事ハリー・ボッシュの元を訪れる。

一方、そのボッシュは現在全米のメディアの賑している殺人事件の証人として裁判に関わっており、その被告がボッシュの前で無罪を勝ち取ると自信満々な様子に嫌な予感を抱いていた。

逆に裁判の苦戦中に殺人事件の容疑にかけられ、窮地に陥ったボッシュは

思いがけない行動にでる。

マイクル・コナリーが、人の心の奥深くに巣くう闇をえぐる。

読む前から、楽しみにしてた作品。

ハリー・ボッシュと「わが心臓の痛み」のテリー・マッケイレブの

豪華共演。

https://www.typepad.jp/t/app/weblog/post?id=38163204&saved_changes=1&blog_id=182746

あの「ザ・ポエット」のジャックも脇役で出てくるという

ワクワクする気持ちで、残り「下」を昨日プールで

一日中飽きもせず、夏の空の下で読みきった。

仲間たちは楽しそうに、遊んだりしてたが、

俺は今日でいけるかもしれないと思い決め、

どうなるんだろう？とハラハラしながら

パラソルの下で「夏だな～」な～んて

のんきに読みふけったって訳さ。

感想は面白かった。

あたりまえか。

最初の20ページくらいで、もう泣けそうになった。

事件への、ときめきとやましさを同時に思うマッケイレブと

ただ愛する男の身を案ずる妻、グラシエラ。

でも、マッケイレブは行かなくてはいけないんだよな。

最後の方で、ボッシュとマッケイレブの会話があり

二人は別れるのだが、

事件に巻き込まれ、死を覚悟した時マッケイレブは

生まれたばかりの娘のことを思い

頬に涙が流れるんだけど

ボッシュだったら涙は流れないだろーなと思い。

ボッシュは最後マッケイレブに

「俺は迷子になっていた。それについてはよく考えなければ

ならんだろう。・・・さて、もう家に帰ったらどうだ。

小さな島と小さな娘の元に帰るんだ。

娘の目の中に見ていると思っているものの

うしろに隠れていろ。この世は、

お前が知っているものとは違うふりをしてろ」

ボッシュが言ったことだが

マッケイレブが言いたかった事をボッシュが口にしたのだ。

あと、過去にこんなやりとりがあった・・・

誰にも愛されず、関心ももたれず

殺人犯にむちゃくちゃに殺された少女がいて

ボッシュは死んだ少女が何者なのかけっして知ることはなく

誰も名乗り出るほど少女のことを気にかける人間が

誰もいないことがボッシュの心に付きまとうだろうと

マッケイレブにはわかっていて

ボッシュは死んだ少女に向こうで困らないよう名前をつけ埋葬した。

付けた名前の意味は「青空」で

ボッシュはきまり悪そうに

「この地上で誰もあの子を引き取ろうとしないのなら、

願わくは・・・・引き取ろうとする誰かが上にいるかもしれない、と」

ボッシュは肩をすくめ、そっぽを向いた。

二人がその名前を話題にすることは二度となかった。

のちにマッケイレブは生まれた娘に

その少女の名前をつけたということがあり

そのことをボッシュに話したんだよね。

で、最後にボッシュがマッケイレブに、さらなる言葉をぶつけた。

「誰も関心を示さない、あるいは誰にも愛されていない少女に

ちなんで娘に名前をつけたことで、あの身元不明の少女の

埋め合わせができると思っているのか?

あのな、お前は間違ってるよ。とっとと家に戻り、夢見ていろ」

その後、

お互いが思い悩むけど

二人とも、キレイなハートを持っているんだよね。

共通する所は、自分の人生には暗いところ。

後は、この世から悪を取り除き、この世の闇をほんの少しだけ

薄くしたいんだと思うところ。

関係ないけど、この前

友達に「あなたは言葉が足りない」と言われ

そんなこと言われてもなぁと思い。

あんま、しゃべっちゃうと薄まっちゃうじゃんと

今、思った。

早くも次作を読む準備は出来ている。

「City of Bones」

帯には、

汚され続けた少年の死と、

真相を追うハリー・ボッシュの孤独な闘い。

少年の無念をはらすべきボッシュは捜査を始めるが

窮地にたたされ・・・深い哀しみを知るボッシュが

汚れきった街の犯罪に挑む。感動作。

と、書いてある。

また一つ成長したボッシュが感じられるだろう。

読んでくれて、ありがとう。

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